青は奇跡
「……良い天気だな」
「うん」
「最近は晴れる日が多いからいいな」
「……わたしも、晴れているほうがいい」
校内のただのベランダでも、燦と見る太陽は何よりも暖かくて、綺麗だ。
光に透けた燦の髪の毛が虹色になっている。
「……今度、また遊ぼうよ。
この前だめになっちゃったから」
「ごめんな、この前。
千鶴の行きたいところに行こう」
「わたし行きたいところないんだよね」
「我慢しなくていいからな?」
「本当に我慢してないんだけど、何もない。
……あ、でも」
「でも?」
「夜の観覧車に乗りたい」
そう言ったら、なぜか燦は黙り込んでしまった。
目線も心なしか定まっていない気がする。
どうしたんだろう。
「……燦?」
「あ、ああ、ごめんな」
「大丈夫?」
「気にすんな、じゃあまた予定決めよう」
最後に挨拶だけして別れた。