青は奇跡
冬休み
……これで大丈夫かな。
アヤちゃんとミホちゃんに教わった通りにヘアセットとメイクをやってみた。
洋服も2人に予算を相談して見立ててもらったものだからか、わたしひとりで買うよりずっといい組み合わせになっている。
お店で見た時は落ち着いて見えたデザインも、無機質なわたしの部屋の中では華やかに見える。
……変じゃないといいんだけど。
時計を見ると、もう出掛ける時間になっていた。
お母さんはいつものように仕事だからわたしが戸締りをする。
お母さんには少し遅くなることだけ伝えた。
付き合って数ヶ月経つのに、まだ言うタイミングがわからず上手く言い出せない。
多分言ったところで恋愛に免疫のないわたしのことだから真っ赤になって心配されるのがオチだろう。
駅の構内に入る前に空を見上げると、冬らしく雲ひとつない、からりとした空が広がっていた。