不細工芸人と言われても
だんだんとカホとのメッセージのやり取りもそう頻繁ではなくなっていた。
お互いめちゃくちゃ忙しいっていうのもある。
久しぶりにしたやり取りは、そのカドだけが出たショーの事についてだった。

仁さんは、すごく高岡さんが来られない事に残念がっていましたよ。

俺がモデルさんたちと並ぶと足短いのがバレる。

笑。忙しいんですか?また映画の仕事ですか?

うん。ずっと休みないな。

身体気を付けてくださいね。


………そんな感じだ。
カホの声が聞きたい。会いたい。
もっと、いろんな本音や悩みも聞きたい。
それなのに、社交辞令みたいなやり取りに俺は悲しくなる。

すぐそこに住んでいるんだから、会いに行ったっていいのかもしれない。
そんな事をしたら、俺はもう自分を止められないかもしれない。

俺はため息をついて、スマホを乱暴にソファに放り投げて、そのままベットに倒れこむようにして寝る。

会えないぶん、思いが募るっていうのは、本当なのかもしれない。
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