不細工芸人と言われても
番組の打ち上げと称して、相方のカドスケが、後輩芸人何人かとよしののコンビと焼肉を企画する

もちろん、 よしのと隣合わせにさせられ、イジリまくられながら、肉を焼き、みんなで食べまくり、飲む。
よしのもいつも通り、アホなことばかり言いながら、俺のことなんか意識もせずに豪快に食いまくる。
そう、いつもこんな感じなんだよ。
だから、ちょっとホッとする。

なんか少しでも本気でしおらしいところとか見せられたら、おもしろい返しもできなくなる。
その辺は、ネタとしてちゃんと分けていてくれるから助かるよな。


しかし、気が付いたら、みんなトイレに立って戻ってこないとか、電話しに行って戻ってこないとかして、俺とよしのは大きな個室にポツンと二人っきりになっていた。
俺はようやくと気がつく。
「あー、もしかしてみんなしてグルで帰ったな。」
「今頃気がつくか!?」
よしのはゲラゲラ笑う。
「ハメたな。」
「まあ、ちゃんと二人で話したかったし、私が頼んだ。二人っきりにしてくれって。」
「…………まあ、そうだな。それは俺もそう思っていた。」
「じゃあ、話が早いわ。助かる。」
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