不細工芸人と言われても
「ああ、それはね。仕方ないよ。高岡さん、今、いっぱいいろんな女優さんやよしのさんと噂があるから。」
「え」
「かわいいモデルさんたち抱えてるから、いろいろそういうのでスキャンダルが発生するとショーを運営する側として厄介なんだよ。
だから、話題性があってでもちゃんとした人をゲストで呼びたい。カドスケさんは結婚してるけど、でも高岡さんは遊んでそうだし、どうなのかなって思ったんじゃないですか?
私は、高岡さんはめちゃ硬派で謙虚でいい人ですよっておススメしてます。」
カホは、屈託のない無邪気な笑顔で、そう言う。

ふうううん。俺は、なんか面白くない。
で、身近なスタイリストにも手ェ出してんじゃないかって疑ったんだな。
バカ正直に答えてた自分がアホらしい。

カホは、キョトンとした目で俺を覗き込む。
「なんか、あったの?」
俺は目をそらす。
「…………いや。別に。」
俺は、小エビのお寿司を口に放り込む。

「美味い。」
カホは、ホッとした笑顔で、良かったーと呟く。
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