不細工芸人と言われても
併設の小さな神社で、参拝をする。
何もかもがうまくいきますように。 俺は必死で神だのみ。

カホはクスクス笑って、俺を見て
「ね、何をお願いしたの?」
「え、内緒。人に言ったらかなわないって言うだろ?」
「だって、一生懸命お願いしてるから。」
「ああ、もう必死だよ。」
「ええ、なに?気になる。」
「ヤダね。教えない。」
「自分で努力しないで、神だのみばっかしてるとダメなんだよ。」
「うわ。ドキッとした。」
「ああ、図星だったんだ。」
カホはコロコロと笑って、トントンと神社の階段を軽い足取りで降りて行く。

「カホ。」
カホは、振り向いて笑顔で俺を見上げる。
俺は、ゆっくり階段を降りて深呼吸する。
「俺と結婚するか。」
「え。」
カホはビックリした顔をして俺の顔をポカンと見る。
まあ、そりゃビックリするよな。
カホは恥ずかしそうに笑ってから、コクっと頷いて
「うん。する。」
俺は苦笑して、ずっこける。
「そんな簡単に決めていいのか? おまえは。」
考えさせてとか言われると思っていたから、あっさりと承諾されて拍子抜けする。





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