不細工芸人と言われても
カホに電話を入れたけど、まだ仕事なのか出ないから、よしのに電話をする。
「もしもし、何?どうしたの?いきなり電話ってさ。」
よしのは、少々驚いている。
まあ、電話なんてした事ないし、メッセージのやり取りだってほぼした事ないからな。
「話、あってさ。」
「話?」
なんかすごく騒がしい。飲んでるのか、居酒屋なんかな。
「ああ、でも、今忙しい?だったら今度でいいけど。」
「今、飲んでるんだよ。ほこみやしずかたちと。」
うわ、まずいところに電話しちゃったな。
案の定、外野が俺からの電話ということでなんか騒いでいる。
高岡!ケジメつけろ!
とか
今からこっちコーイ!
とか女どもが後ろで騒いでいる。

「なんかほこみたちが今から来いって言ってるけど?」
「ああ。お断りしますって言っとけ。」
「なんかあったの?」
「うーん、まあ、やっぱりお前にはちゃんと言っておこうかと思って。」
「何を?」
「うん、まあいいよ。今度にしよか。」
「いや、待て。ちょっと何よ、気になるじゃん。」
「…………まあ、もう明日にはわかる事だから報告するけど、俺、結婚するんだわ。」
「………………はいーーーーー?」
「おまえ、声でけーよ!」
「………………だいぶこの間言ってた事と違うじゃない。」
「…………そうだな。いろいろ状況が変わったんだよ。」
「…………ふうん。おめでとう。」
「…………うん。」
「相手は?その星空の君か?」
「知るかボケ。」
「…………そっか。これで、私はやっと解放されて泣けるわけだ。」
「……………。」
「よかったじゃん。」
「その、お前んとこにも記者が間違いなく来るから。」
「ああ、うまくさばいとけって事ね。」
ホント、こういうとこ助かるわ。
< 98 / 108 >

この作品をシェア

pagetop