君の好きな人が私だったらいいのにな。
エスカレーターはこっち、と肩を掴まれて

行こうとしていたほうとは全く反対側に連れていかれる。


「あれ!?柚真また居なくなった!?…って
なんだ、高野のところか。」

『右側行こうとしてたから、回収してきたんだっての笑』


お前もう俺の服の裾掴んどけよ、と侑に言われて

私は大人しく侑の服の裾を少し掴んだ。


『ほんとに方向音痴だなー、杉野は笑』

「しょ、しょーがないでしょ!昔からなんだもん、」


こればっかりはほんとに生まれつきで

なぜか全然道が覚えられないのだ。
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