君の好きな人が私だったらいいのにな。
「…………どう?」

『そっち。やっぱお前は淡い色の方が似合うな。』

「そ、そう?」

『おう。それにしろよ、』


似合ってんぞ、なんてなんの恥ずかしげもなく言うもんだから

私のほうが恥ずかしくなってきて

私は思わずぷい、と顔を背けた。


「………じゃあ、これにする。」


たとえ向こうはただの幼なじみとしか見てなかったとしても

自分の好きな人に似合ってる、なんて言われたら

そんなのもう買うしかないじゃんか。
< 111 / 439 >

この作品をシェア

pagetop