君の好きな人が私だったらいいのにな。
ゆっくり海に入ろうとしていると

向こうのほうから侑が私を呼ぶ声がした。


『おーい柚真、こっちこいよー。』

「ちょ、遠い!私が泳げないの知ってるでしょ!?」

『しょーがねぇなー。』


侑はバシャバシャ歩いて私の方まで来て

連れてってやるよ、と悪戯っぽく笑った。


「え、ちょ、あんま遠く行かないで、」

『大丈夫だって、浮き輪掴まっとけ。』

「足、足つかないから!」


あっという間に足のつかない方まで連れていかれてしまい

私は必死に浮き輪に掴まっていた。
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