君の好きな人が私だったらいいのにな。
「じゃあー、今ここで話したことは絶対お互い秘密って約束で、ちょっとだけ教えてよ。」

『んー、そうだなぁ。』


"笑顔が可愛くてものすごく鈍い人"

氷室は少し悩んだあと、それだけ言って

まっすぐ私の方を見つめた。


『………あー、この話おわり。ほら、スーパー着いたし買い物しよ。』

「もしかして、照れてる?」

『そーゆーことは言わなくていーから、』


ほらはやく行くよ、と

先にスーパーの中に入ってしまう氷室の後ろ姿を

私は慌てて追いかけた。
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