君の好きな人が私だったらいいのにな。
「ちょ、ちょっとストップ、目ぇ回ってきた。」

『まだ音楽終わってねぇじゃん、』

「終わってないけど!」


私が言うと

しょーがねぇなー、と笑いながらも

侑は回るのをやめた。


「なんかふらふらする…、うわっ、」

『…っと、大丈夫か?』


私がふらついて転けそうになると

侑は私の体を慌てて抱きとめた。


「っ、侑のせいでしょ、」

『悪い悪い。』


案外面白かったからつい、と侑が悪戯っぽく笑う。

そんな顔を見せられたら怒れるわけなんかなくて

後でジュース奢りね、と侑から目を逸らした。
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