君の好きな人が私だったらいいのにな。
『侑って、高野侑?』

「うん。あれ、私の幼なじみなんだー、」

『あ、幼なじみ。…彼氏じゃないんだ。』

「か、彼氏?違う違う。」


ただの幼なじみだよ、と私が言うと

モテる彼氏をもつ彼女は大変だなぁと思ってたのに、と氷室くんは笑った。


『柚真ってどーゆー漢字書くの?名前珍しいよね。』

「柚に真実の真で柚真、」

『え、柚って漢字使うんだ。俺と同じじゃん。』


お揃いだねー、なんて話をしていると

柚真?と後ろから聞き慣れた声がした。
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