君の好きな人が私だったらいいのにな。
柚稀の言葉に

侑は一瞬だけ驚いたような顔をして

もう一度、ありがとな、と呟いた。


「あんた、柚真のこと泣かせたら絶対私許さないんだからね?」

『泣かせねぇっつーの、』

「ほんとにー?今まで散々泣かせてんじゃない、」

『悪かったって、』


そう言って

侑は助けてくれと言わんばかりに

私のほうを見つめた。


「あ、ほらほら羽瑠、もう神社着くよ、」


困った顔をしている侑を見兼ねて私が言うと

出店出てるじゃんー!と羽瑠は嬉しそうに小走りした。
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