君の好きな人が私だったらいいのにな。
「……柚真、何お願いしたの?」


お参りが終わったあと

羽瑠は私の耳元で、私しか聞こえないような声でそう言った。


「な、なんで?」

「いやー?今年はなんてお願いしたのかなーって思って。」

「………ひ、秘密。」


去年までは

"侑に気持ちを伝えられますように"とか

"ずっと隣にいられますように"とか

そんな事ばかりお願いしていたような気がする。

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