君の好きな人が私だったらいいのにな。
「あんたねー、やっと付き合い始めたんだから、バレンタインくらいもうちょっと張り切りなよ、」

「や、その、忘れてたわけじゃないんだけど、」


侑は私の彼氏なんだって、

その事実に私はまだ慣れていないのだ。


「………どうしよ、美味しいチョコ買ったほうがいいかな、」

「今までずっと作ってたのに?」

「だ、だって、あれは一応名目的には義理チョコっていうか、友チョコっていうか…、」


とにかく彼女が彼氏にあげるチョコではなかったわけで。
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