君の好きな人が私だったらいいのにな。
いつも通り横を通り過ぎようとすると

ちょっと待て!と後ろから腕を掴まれた。


『あーごめんごめん、またね、俺遅刻しちゃうから、』


私の腕を掴んだまま周りの女の子たちに手を振って

知らないふりすんなって、と侑は私の隣に並んだ。


「毎朝大変だねぇ、」

『まーいいんだけどさ、朝引き留められんのはきついわ。』

「さすが遊び人。」


私が言うと、人聞き悪いこと言うな、と

侑は私の頭を小突いた。

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