君色パレット
「おい、無視か?
人が聞いてるのにお前はシカトするのか?」
いやいや
シカトしてませんよ。
なんて言ったらいいか考えてるだけですよ。
なんていう
あたしの心の訴えも
茶髪男子には全然聞こえてなくて
茶髪男子のグチグチは止まらない。
「い、嫌な顔なんてしてないすっよ~。」
ここは覚悟を決めて誤魔化してみた。
だけどやっぱり茶髪男子には
通用しなくて
「お前俺のこと馬鹿にしてるだろ?」
えーっと…
なんでそうなっちゃうんだー!
「全然っ!全くっ!これっぽっちもっ!
そんなこと思っていませんです!」
この時のあたしは
もう冷や汗ダラダラで
自分でもなに言ってるのかわからなかった。