君色パレット
「そういえばもう小学生以来だね。
渚すごく変わったね!」
「もうそんな経つんだ。
俺そんなに変わった?」
自分では自覚してないのか、首を傾げた姿勢をとっていた。
あたしが知っている渚よりずいぶん大人になった渚は、そんなポーズをとったって、昔のように可愛らしくは見えなくなっている。
「変わったよ。
前は泣き虫で身長もあたしと変わらなかったじゃん。」
「そーだったけ?
俺から見れば玲も変わったけどな。」
「そりゃ変わるに決まってるじゃん。」
そう答えた渚は、わかってるのかとぼけるのかよくわからない。
しかもそう言うわりには、あっさりあたしだって気づいたみたいだけどね。
気づかれないっていうのも悲しいものがあるけどね。
本当に久々に渚とあったけど、意外と普通に話せてよかった。