君色パレット
「澪ー!
誰と話してんの?」
今あたしがここにいるなんて知らないだろう渚の足音が、あたし達に向かってきた。
ガラッ
「れ、玲!なんで!?」
「…渚」
そこには、
すごく動揺をした渚の姿があった。
あたしはそんな渚を冷めた目で見るしかできなかった。
「玲聞いて、これには訳があるんだ。
俺を信じて。」
何を今さら言ってるのか、
ばれなきゃいいと思ってるのか。
現実を見てしまったあたしには悪い考えばっかりが巡る。
渚の目は真剣だったけど、輝きを失ったあたしの目には絶望しか見えていなかった。
「・・・」
何を言ってるのだろう?
信じて?なにを?
あたしはなにを信じればいいんだろうか?
信じるって何?
もうよくわからないや。
考えたくもない。