二度目の初恋
空は雲ひとつない青空。

久しぶりにあの小学校を見ることになるけれども、あんな黒歴史ばかりの場所なんか気にせず素通りすればきっと平気なはず。

それよりも悠永がどんな格好で来るのかを想像しよう。

浴衣を着てくるのかな?

浴衣だったら、私のこの黒を貴重とした浴衣に合うように紺とか黒とか落ち着いた色が良いな...。

今日は...

今日こそは...

好きって言おうかな。

バッグの中に密かに入れたプレゼントには私とお揃いのネックレスが入っている。

いかにもネックレスだとバレないようにラッピングは自分でやり、中にメッセージカードも忍ばせてある。

私の長年の想いを込めてプレゼントを選んだ。

言えそうなら言おう。

言えなくても笑っていよう。

私が笑えば悠永も笑ってくれる。

もう悠永の隣にいるのは佐倉由依じゃない。

私なんだ。

私から始まり、私で終わるんだ。

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