二度目の初恋
佐倉由依とは3年生の時に同じクラスになり、6月の席替えでオレの隣になった。
先生の机の真ん前の席だったけれど、彼女は構わず居眠りもお絵かきも宿題もしていた。
真面目とは程遠く、オレとも正反対。
明るく活発で自由人で呑気で笑顔が良く似合う女の子だった。
オレの友達は幼なじみの伽耶だけで、伽耶以外で初めてまともに話をしたのは彼女だった。
「わたしのことはゆいぼんって呼んでね」
「ゆいぼん?」
「わたしの親友の怜奈ちゃん...じゃなくてたかれながニックネーム付けてくれたの。ちなみにたかれなは高城怜奈の略だよ。SBY18の高田美奈子ちゃんがたかみなって呼ばれてるのを真似たんだって。美奈子ちゃん、たかれなの推しメン?なんだって」
「はぁ...」
ゆいぼんはとにかく絶えず口を動かした。
良く話題が尽きないなぁと思うくらいに良く喋り、良く笑っていた。
給食の時間なんか、一方的に弾丸トークを繰り広げ、オレはそれをただ黙って聞いていた。
しかし、いつの日だったか一緒に鬼ごっこをしてほしいとせがまれ、オレのキライなにんじんを食べてあげたから一緒に遊んでくれてもいいよね、と脅された。
その日を境にオレとゆいぼんの争いが始まった。
にんじんはダントツで嫌いだったが、野菜全般が苦手だったオレは野菜を残しがちだった。
それを見るや否やすっと箸を伸ばし、ゆいぼんはパクリと食べてしまう。
「勝手に食べるな」
「いいじゃん。どうせ残すつもりだったんでしょう?ってことで食べてあげた代わりに今日は...図書室行こう」
「えっ?」
「わたし、悠永くんのおすすめの本、読みたい。わたしに教えて」
「それなら...まあ」
「やったぁ!じゃあ決まりね!よぉし、早く残り食べちゃおっと」
先生の机の真ん前の席だったけれど、彼女は構わず居眠りもお絵かきも宿題もしていた。
真面目とは程遠く、オレとも正反対。
明るく活発で自由人で呑気で笑顔が良く似合う女の子だった。
オレの友達は幼なじみの伽耶だけで、伽耶以外で初めてまともに話をしたのは彼女だった。
「わたしのことはゆいぼんって呼んでね」
「ゆいぼん?」
「わたしの親友の怜奈ちゃん...じゃなくてたかれながニックネーム付けてくれたの。ちなみにたかれなは高城怜奈の略だよ。SBY18の高田美奈子ちゃんがたかみなって呼ばれてるのを真似たんだって。美奈子ちゃん、たかれなの推しメン?なんだって」
「はぁ...」
ゆいぼんはとにかく絶えず口を動かした。
良く話題が尽きないなぁと思うくらいに良く喋り、良く笑っていた。
給食の時間なんか、一方的に弾丸トークを繰り広げ、オレはそれをただ黙って聞いていた。
しかし、いつの日だったか一緒に鬼ごっこをしてほしいとせがまれ、オレのキライなにんじんを食べてあげたから一緒に遊んでくれてもいいよね、と脅された。
その日を境にオレとゆいぼんの争いが始まった。
にんじんはダントツで嫌いだったが、野菜全般が苦手だったオレは野菜を残しがちだった。
それを見るや否やすっと箸を伸ばし、ゆいぼんはパクリと食べてしまう。
「勝手に食べるな」
「いいじゃん。どうせ残すつもりだったんでしょう?ってことで食べてあげた代わりに今日は...図書室行こう」
「えっ?」
「わたし、悠永くんのおすすめの本、読みたい。わたしに教えて」
「それなら...まあ」
「やったぁ!じゃあ決まりね!よぉし、早く残り食べちゃおっと」