二度目の初恋
「はるどん、あと1つプレゼントがあるからそこに座って待ってて」

「あ、うん...」


ゆいぼんはオレを座らせると、自分は周辺にあるシロツメクサを集め始めた。

夢中になっているからバレないだろうとオレはまたもデジカメで写真を撮った。

この一瞬が写真として収めることで永遠になる。

写真がある限り、思い出はそこにあり続ける。

オレはそう信じていた。

オレはゆいぼんが一生懸命作業をしている横に寝転がり、空を見つめた。

空は澄みきった青空で、ふわふわしてわたあめみたいな雲が風に乗り、いくつも同じ方向に流れている。

春の優しくて穏やかな風が顔を撫で、目を閉じれば眠ってしまいそうなほどに心地よい。

うとうとしかけてきたところで、ゆいぼんがオレの視界に飛び込んできた。


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