二度目の初恋
「はるどんっ!」
「うわっ、びっくりした...」
「びっくりしてないで、さあ起きて起きて。はるどんに渡したいものがあるの」
オレはよいしょっと起き上がると、ゆいぼんは姿を消していた。
キョロキョロと右に左に頭を動かしても見当たらない。
ということは...
「はい、はるどん」
後ろを向く前にオレの頭に何かが乗った。
オレは頭に手を乗せてそれを取って見てみた。
「花冠だよ。昔、お母さんに作り方教わったんだぁ」
「でもこれオレが着けるものなの?」
「いいじゃん。花の国の王様ははるどんだよ!」
「でも冠はゆいぼんの方が...その...似合うと思う。だからこれはゆいぼんが...」
オレがそう言って渡そうとするとゆいぼんは両手で頭を押さえた。
「な、なんだよ」
「それははるどんのだからわたしに乗せちゃダメだよ。わたしの分ははるどんが作って」
「えっ。でも、オレ作り方分からないから出来ない...」
「なら、教えるよ。だけど、今日はもう時間がないから今度ね。今日はこれからももかのお母さんのお見舞いに行かなきゃだから」
ゆいぼんは約束を絶対守る人だった。
伽耶のお母さんに毎日お見舞いに行きますと宣言してからというもの、毎日何があってもゆいぼんは面会時間に会わせて行っていた。
「そうだっ。クローバーだけじゃなくてあっちの菜の花も摘んで行こうっと」
「ゆいぼん待って!」
「遅いよ、はるどん!置いていくよ!」
ゆいぼんは走り出す。
オレは置いていかれないようにその小さな背中を追った。
だけど、実際は...置いてけぼりになった。
オレだけが過去に捕らわれ、その中でまだ呼吸をしている。
「うわっ、びっくりした...」
「びっくりしてないで、さあ起きて起きて。はるどんに渡したいものがあるの」
オレはよいしょっと起き上がると、ゆいぼんは姿を消していた。
キョロキョロと右に左に頭を動かしても見当たらない。
ということは...
「はい、はるどん」
後ろを向く前にオレの頭に何かが乗った。
オレは頭に手を乗せてそれを取って見てみた。
「花冠だよ。昔、お母さんに作り方教わったんだぁ」
「でもこれオレが着けるものなの?」
「いいじゃん。花の国の王様ははるどんだよ!」
「でも冠はゆいぼんの方が...その...似合うと思う。だからこれはゆいぼんが...」
オレがそう言って渡そうとするとゆいぼんは両手で頭を押さえた。
「な、なんだよ」
「それははるどんのだからわたしに乗せちゃダメだよ。わたしの分ははるどんが作って」
「えっ。でも、オレ作り方分からないから出来ない...」
「なら、教えるよ。だけど、今日はもう時間がないから今度ね。今日はこれからももかのお母さんのお見舞いに行かなきゃだから」
ゆいぼんは約束を絶対守る人だった。
伽耶のお母さんに毎日お見舞いに行きますと宣言してからというもの、毎日何があってもゆいぼんは面会時間に会わせて行っていた。
「そうだっ。クローバーだけじゃなくてあっちの菜の花も摘んで行こうっと」
「ゆいぼん待って!」
「遅いよ、はるどん!置いていくよ!」
ゆいぼんは走り出す。
オレは置いていかれないようにその小さな背中を追った。
だけど、実際は...置いてけぼりになった。
オレだけが過去に捕らわれ、その中でまだ呼吸をしている。