二度目の初恋
月日が流れるのは早いもので、あっという間に4年生も終わりが見えてきていた。
その日は3月が大掃除月間ということで、毎週金曜日の美化委員会の仕事にごみ箱の清掃があったのだが、ほうきのごみ取りと掃除用具入れの清掃を追加され、ゆいぼんと2人で居残りをしていた。
オレがごみ箱と掃除用具入れのゴミ受けを洗い、ベランダに雑巾を敷いて干し終えても、ゆいぼんはまだちまちまとほうきのごみ取りをしていた。
「オレもやるよ」
「ありがとう。でも時間大丈夫?ぱるとのお母さん体調崩しててぱるとが家事やらなきゃならないんでしょ?」
ぱるとというのはオレのこの頃の愛称で、ゆいぼんだけがそう呼んでいた。
いつの間にか愛称がはるどんから変わってしまっていて、呼ばれても反応するのに時間がかかっていた。
「今日はおばあちゃんが午後から来てくれるって言ってたから大丈夫。それより早く終わらせよう」
「うん、そうだね」
黙々とほうきのごみ取りをするかと思いきや、ゆいぼんはやはり話し出した。
話題が尽きないのは情報収集能力に優れているからで、ゆいぼんは毎朝ニュースをチェックしているし、帰ってからは宿題をやりながらもずっとテレビを見て常にトレンドを頭に入れているんだ。
最近はニュースの内容も話すようになったが、大抵はゆいぼんとたかれながハマっている女性アイドルの話だった。
「それでねぇ、カナちゃんが...」
「ゆいぼん、手動かして」
「あぁ、ごめんごめん」
あまりにもやらないゆいぼんにちょっといらっとしてオレは強めの口調で言ってしまった。
そのせいかゆいぼんはいつもよりぎこちなく笑って謝った。
その日は3月が大掃除月間ということで、毎週金曜日の美化委員会の仕事にごみ箱の清掃があったのだが、ほうきのごみ取りと掃除用具入れの清掃を追加され、ゆいぼんと2人で居残りをしていた。
オレがごみ箱と掃除用具入れのゴミ受けを洗い、ベランダに雑巾を敷いて干し終えても、ゆいぼんはまだちまちまとほうきのごみ取りをしていた。
「オレもやるよ」
「ありがとう。でも時間大丈夫?ぱるとのお母さん体調崩しててぱるとが家事やらなきゃならないんでしょ?」
ぱるとというのはオレのこの頃の愛称で、ゆいぼんだけがそう呼んでいた。
いつの間にか愛称がはるどんから変わってしまっていて、呼ばれても反応するのに時間がかかっていた。
「今日はおばあちゃんが午後から来てくれるって言ってたから大丈夫。それより早く終わらせよう」
「うん、そうだね」
黙々とほうきのごみ取りをするかと思いきや、ゆいぼんはやはり話し出した。
話題が尽きないのは情報収集能力に優れているからで、ゆいぼんは毎朝ニュースをチェックしているし、帰ってからは宿題をやりながらもずっとテレビを見て常にトレンドを頭に入れているんだ。
最近はニュースの内容も話すようになったが、大抵はゆいぼんとたかれながハマっている女性アイドルの話だった。
「それでねぇ、カナちゃんが...」
「ゆいぼん、手動かして」
「あぁ、ごめんごめん」
あまりにもやらないゆいぼんにちょっといらっとしてオレは強めの口調で言ってしまった。
そのせいかゆいぼんはいつもよりぎこちなく笑って謝った。