二度目の初恋
伽耶の言葉や行動から伽耶の気持ちを推し測るとやはりそんなことは言えなかった。

言えないまま再び神社に戻ってきて射的やスーパーボールすくい、型抜きなどをやったりした。

まるで子供に戻ったかのような何もかもが新鮮で楽しくて面白くて刺激的な時間を過ごした。

そして、あっという間に夏祭り最後のイベントであるビンゴの時間になった。

縁日のゲームをした人全員にビンゴの紙が配られ、オレたちも参加するために賽銭箱の前の一番広いスペースに集まった。


「伽耶、見える?」

「うん、大丈夫。マイクもあるみたいだし、声聞こえれば大丈夫だよ」


オレたちは子供たちとその保護者の後ろにいるため、若干見えづらい。

だが、オレたちの後ろからも大勢の人が押し寄せて来ていて身動きがとれなかった。


「皆さん、こんばんはー!」

「こんばんはー!」


そんな中ビンゴ大会は始まった。

ビンゴ大会は小学校の卒業式前にクラスでお別れ会をした時以来だ。

地域の秋祭りでもやったいたのだが、オレはモノに執着しないせいか興味が沸かず、参加してこなかった。

モノに執着しないから自分の部屋は必要最低限なものしかない。

一時期流行った断捨離は言われなくても小学校の頃から実践していた。

だからビンゴで当たったとしても伽耶にあげようと決めていた。


「それではいきます!」


商店街の抽選などで良く見るガラポンを勢い良く回す司会のおじさん。

アシスタントには若い女性がついているが、おじさんの張り切り具合に少々引きぎみだ。


「はいっ!出ました!最初の数字は...17!7が入ってますよ!幸先良いですねぇ!」

「それでは次は私が...」


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