二度目の初恋
「ズミ!久しぶりじゃん!元気だった?」

「あぁ、まあ...。高城さんも元気そうで何よりだよ」

「高城さんなんて止めてよ。昔みたいにたかれなで良いよ!それより、良かったよ、2人再会できて!」


たかれなは変わらず元気でパワフルだ。

とてもお嬢様とは思えない話し方だが、これも彼女の良さだ。

明るくて親しみやすくて友達思い。

由依とは似ていて少し違うけど、すごくいい人。

性格は変わっていないようだが、女子3人の中で1番背が伸びて大人っぽくなったように思える。

黒地の浴衣が良く似合っている。

たかれながはしゃぐ一方で、明らかに不愉快そうなやつが1人。


「ったく、どこまで邪魔しやがるんだ、コイツは...」


オレを睨み付けた後ぷいっと顔を背けたのは泰翔だ。

オレより性格も明るくて容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群の天才気質のサッカー少年。

雰囲気も話し方もオレへの敵対心も、良くも悪くも変わっていない。


「こら~っ!感動の再会にあんたは余計なちゃちゃ入れないっ!」

「っるせえ!バカは黙ってろ!」

「バカとは何よ!バカっていう方がバカなんだからっ!」

「あぁ、またそれかよ。ほんと、バカは知識が無いから話にならねえわ。くっだらねえ、やめだやめだ!」


たかれなと泰翔の喧嘩も健在なようだ。

なんか懐かしくて2人が変わっていないことにほっとしている自分がいる。

しかし、問題は......。

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