二度目の初恋
「あのさ、大勢の前で天パとか言わないで。アタシ、ストパーかけてこんなにさらっさらになったのにいつまでも昔を引きずらないでよ!」

「天パは天パだろ。どうせパーマが取れればくるくるパーマのぴーちくぱーちくうるさい女になるんだからな」

「あんた、ほんと酷いヤツだねぇ。アタシのことなんだと思ってんのよ!」

「うるせえうるせえお節介女だ」

「あっそ」


アタシの気持ちも知らないで、こんなけちょんけちょんに言いやがって。

アタシは泰翔の腕を掴んだ。


「んだよ、いきなり」

「せっかく来てあげたんだから、アタシの行きたいところ行かせてよ。ほら、こっち」

「おい。お前っ、離せよ」

「離さない。アタシのこと言いたい放題言ったあんたに仕返しよ」


わめく泰翔を気にも止めず、アタシは歩いた。

アタシが主導権を握らないと泰翔と2人が鉢合わになる可能性が高くなる。

今日は着いてきてもらうからね。

絶対に。

< 177 / 365 >

この作品をシェア

pagetop