二度目の初恋
「おい、泣くようなことかよ。これじゃまるで俺たちが怜奈をいじめてるみたいじゃんか」

「そうよ。いじめてるわよ。...アタシの想いを踏みにじって、ゆいぼんの想い、ないがしろにして......あんたたちはいじめてるわよ！」


アタシが机を叩くと、２つ隣の席に座ってタバコをふかしていたサラリーマンのおじさんが驚いてアタシを見た。

アタシは構わず続けた。


「ゆいぼんのために何かしろなんて言わない。だからこれ以上何もしないで」

「は？意味不明なんだけど。俺たち元からゆいぼんに何もしてないけど。さっきから言ってることがめちゃくちゃで話になんねえよ。俺もう帰るわ。話はまた今度な」


泰翔は立ち上がり、去ろうとしたけれど、アタシは机の下でやつの足を思いっきり踏みつけた。


「いっ、た！お前、何すんだよ？！」

「あんたたちは逃げてばっかり！過去に捕らわれて進めてない！ゆいぼんのためとか言って本当は自分が傷つきたくないから、ゆいぼんの記憶を取り戻させたくないんでしょ？

ゆいぼんの記憶が戻ったらゆいぼんは悠永が好きだったと思い出す。そうしたら都合が悪いのはあんたたち。だから協力しないのよ。

ゆいぼんが記憶を取り戻して皆とまた笑い合いたいって言ってるのに無視してる。

ゆいぼんの気持ちを考えようとしてない。ゆいぼんのこと分かろうとしてない。

そんな人、アタシ許さないから！」


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