二度目の初恋
駅に近づき、街灯が多くなってきた。

銀杏並木は温かなオレンジ色の電気に照らされて幻想的な雰囲気な中に人々を誘っていた。

アタシもその光に導かれるようにして光の中に入っていくと、数十メートル先に見覚えのある2つのシルエットがあった。

1つは小さくて痩せている。

もう1つは大きいくせに痩せている。

小さい方が銀杏を見上げ指を指していると、大きい方が何か話しかけてその後顔を見合わせて笑っていた。

まだ帰ってなかったなんて...

どんだけ仲良しなんだよ...。

アタシは横断歩道を渡り、2人と向かい側の道を通って駅に向かった。

秋が終わりを告げる頃にはどうなっているのかな。

アタシは黄金の並木を見つめて願った。


――全てが終わり、また始まりますように。







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