二度目の初恋
最近の俺は少しおかしかった。

怜奈の名前が出ると心臓が一瞬ドクンと鳴る。

それに怜奈のことを長く話したくなかった。

話せば話すほど、怜奈を意識してしまい、何事も集中出来なくなるのだ。

だから今みたいにゆいぼんから怜奈の話が出た時はだいたい話題をそらす。

怜奈とは家が近所でたまに見かけることもあるけれど、文化祭以来これといった交流もなく、時の流れに身を任せて生きてきた感じだ。

お互いにあの日の出来事をなかったことに出来ないまま、一定の距離をとっている。

それが俺らの現状なんだ。


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