二度目の初恋
そして、遅れることなく23日はやって来た。

ゆいぼんの家に迎えに行くとちょうどゆいぼんの妹がパンパンのリュックを背負って家から出てくるところだった。


「こんにちは」


俺は一応挨拶したが、妹の方は返してくれなかった。

ゆいぼんとは正反対で無愛想で暗くて堅物な雰囲気をムンムンと醸し出していた。

自転車に乗って去っていった妹を見送り、俺はインターホンを押した。


「あら、泰翔くんよね?久しぶり」

「ご無沙汰しています。おばさんも元気そうで何よりです」

「泰翔くん、立派になったわねぇ。由依から色々話は聞いてるわ。今日は由依のこと、よろしくね。泰翔くんなら大丈夫だと思うけど、8時までには由依を帰してもらえるかしら?あまり遅くなると心配だから」

「はい、分かりました。必ず門限は守ります」

「頼むわね」


久々に会ったけどおばさんからの信頼も失っていないようだし、これならゆいぼんと付き合うとなっても嫌な顔はされなそうだ。

ほっとひと安心したところでゆいぼんがやって来た。


「ごめんね、待たせちゃって」

「全然大丈夫」

「じゃあ、由依、泰翔くん、気をつけて行ってらっしゃい」

「はい」

「では、行ってきます」


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