二度目の初恋
「怜奈!お前、うるせえんだよ!」

「うっわ。何その顔。怖すぎるんですけど。ってか、そんな顔してるからフラれるんじゃないの?」

「なんでお前がそれを...」

「ゆいぼんからメッセージ来てさ。泰翔にごめんなさいって言ったら元気なくしたから見に行ってもらえないかって。で、出てきてみたら案の定、これだよ」

「うっせ」


ゆいぼんも自分が振ったくせに相手のこと心配するなよ。

嫌いになれねえじゃん。

忘れられねえじゃん。

ゆいぼん...ずるいよ。

道のど真ん中で、

こんなに寒空の下で、

凍ったアスファルトの上で、

なんで生ぬるい水が瞳にたまって、

頬を伝って、

地面にぽとりぽとりと、

軽快なリズムを奏でて落ちていくんだろう。

俺は顔を覆ってしゃがみこんだ。

恥ずかしいけど、

すっげえ恥ずかしくてたまらないけど、

泣くしかなかった。

涙が溢れて止まらなくて、俺は泣いて泣いて泣きまくった。

そんな俺を放っておけるはずもなく、怜奈は俺を後ろから抱き締めた。

その体温が温かくて、

その呼吸に安心して、

俺の涙はもっと止められなくなった。

好きだって伝えた後に、笑ってくれることを願ってた。

願いは叶わなくて、俺の涙に変わった。

それを受け止めてくれたのは、皮肉にも、いつも1番近くにいて1番俺を見てくれて1番俺を分かっている、俺の幼なじみだった。

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