二度目の初恋
泣いている俺に怜奈は呟いた。


「アタシじゃ...ダメ?」

「ダメだ...バカ」


俺は必死に抵抗したが、怜奈は俺を離さなかった。

それどころか俺を抱く腕により力を込めた。


「アタシは何があっても、泰翔から離れないよ。何でも出来る天才が恋愛はからっきしなんて、これ以上面白くて...大好きな人、アタシ見つけられないから」


ひっでえことを言うのは、お前も俺も一緒みたいだな...。

バカなのも同じ...かもな。

近くにいて遠ざかっていた怜奈を今までの人生で1番近くに感じた夜だった。

< 206 / 365 >

この作品をシェア

pagetop