二度目の初恋
――ブーブーブー...。


スマホが鳴った。

誰かからメッセージが届いたようだ。

もしかして悠永?

私は胸を踊らせながら画面を開いたけど、そこにあったのは"紀依"の二文字だった。

私は玄関で一応「ただいま」と叫ぶとすぐさま2階の自室に入り、リュックを置いて再びメッセージを確認した。


"受験まであと3ヶ月切ったのに、立黎第一希望にしたんだけど、この前の模試でC判定だったんだ"

"冬休み中時間がある時に色々教えてもらえない?"

"伽耶ちゃんにしか頼めないんだ"

"お願いします!"


紀依に姉がいながらも私を頼って来てくれたことに私は嬉しくて思わず笑みがこぼれた。

七夕の一件で紀依とはキョリをとった方が良いと思っていたけれど、どうやらそうでもないようだ。

私には紀依もいる。

ゆいぼんじゃなくて私を選んでくれた。

その事実に私の胸が少しずつ満たされていく。

何にもなくて何にもゆいぼんに勝てなかった昔とは違う。

今は私の方が全て上回っている。

だから大丈夫。

悠永もきっと私を選んでくれる。

クリスマスプレゼントは何にしよう。

手編みのマフラーとかあげたら喜んでくれるかな。

悠永のためなら、私はいくらでも頑張れる。

だから、また頑張ってみるよ。

私はカーテンを閉める前に窓を開けて夜空を見つめた。

きらきらと精一杯輝こうとしている星たちに私は願いをかけた。

ゆいぼんから悠永も奪えますように...。

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