二度目の初恋
クリスマス当日。

木枯らしが吹き荒れる中、悠永は寒さに耐えるように腕を組んで私を待っていた。

少し歩けばイルミネーションが見える。

私は重いリュックを気にも留めず、悠永に近付いていった。


「悠永ごめん。また私が待たせちゃった」

「いや、別に...」

「もう遅いし、早く行こ」

「えっ...」


私は悠永の腕を掴んで駆け足で光の中へと向かった。

吐く息は白く、手は冷たいけれど、私の心はぽかぽかと温かく、イルミネーションの黄色とオレンジ色が混ざったような色も温もりを感じられた。


「やっぱりキレイ...」

「うん」


悠永は何を見ても何をしてもあまりリアクションをしない。

今日もまた黙って穏やかな気持ちでイルミネーションを楽しんでいるに違いない。

たまに見せる微笑みがそれを物語っていた。

私たちはイルミネーションが終わるところまでゆっくりと歩いていき、横断歩道を渡って反対側の並木も歩いた。

すれ違う人は社会人のカップルが多いけど、所々高校生らしき私服のカップルも見かける。

私と悠永は...ただの幼なじみ。

それが嫌なら、この見えない壁を越えるしかない。

こえて悠永の世界に入り込んで悠永の心の核を掴んで2度と離さないしかない。

時は満ちた。

私は今日、帰り道。

あの公園に辿り着く前に悠永に言う。

好きだ、って。

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