二度目の初恋
悠永はいつも通り、私の話を聞きながら私を送り届けようとしてくれた。
だけど、私は左に曲がって公園に入った。
悠永が慌てて追いかけてくる。
私はブランコに座り、助走をつけてこぎだした。
足を伸ばしたり、曲げたり。
高いところが苦手で乗りたいと思ったことがなくて小3まで乗ったことがなかった。
ゆいぼんに無理やり外に連れ出され、ブランコに乗ったのは、確か夏休み後くらいだったと思う。
ゆいぼんは私の背後に飛び乗って、怖い怖いと私が悲鳴を上げるのもかまわずに立ち漕ぎしていた。
そのせいで40度くらいまで上がって無事地上に生還した時には私は半べそになっていた。
そんな私にゆいぼんは言った。
「神様は壁を越えられる人にしか壁は与えないんだって」
「それ私も知ってるよ」
「じゃあ、これは知らないでしょう。1人で越えられない壁は2人で越えればいい」
「確かに知らないけど、誰が言ってたの?」
「わたし、佐倉由依の言葉です。今みたいに1人で越えられなさそうな時はわたしも伽耶ちゃんと一緒に力を合わせて越えるよ。ブランコに乗って高く上がったらその先に見える景色に向かってジャーンプ!なんなら、1回転してもいいんだよ」
「なんか、分かるようで分かんない」
「まあ、その内分かるよ」
確かに今なら分かる気がする。
ゆいぼんは自ら犠牲になって私に力を与えた。
ゆいぼんの犠牲が私に推進力を与えたんだ。
私が越えられない時は、ゆいぼんが力を貸してくれる。
その鼻につく優しさが実を結んだよ。
今さらだけど、最初で最後の感謝をする。
だけど、私は左に曲がって公園に入った。
悠永が慌てて追いかけてくる。
私はブランコに座り、助走をつけてこぎだした。
足を伸ばしたり、曲げたり。
高いところが苦手で乗りたいと思ったことがなくて小3まで乗ったことがなかった。
ゆいぼんに無理やり外に連れ出され、ブランコに乗ったのは、確か夏休み後くらいだったと思う。
ゆいぼんは私の背後に飛び乗って、怖い怖いと私が悲鳴を上げるのもかまわずに立ち漕ぎしていた。
そのせいで40度くらいまで上がって無事地上に生還した時には私は半べそになっていた。
そんな私にゆいぼんは言った。
「神様は壁を越えられる人にしか壁は与えないんだって」
「それ私も知ってるよ」
「じゃあ、これは知らないでしょう。1人で越えられない壁は2人で越えればいい」
「確かに知らないけど、誰が言ってたの?」
「わたし、佐倉由依の言葉です。今みたいに1人で越えられなさそうな時はわたしも伽耶ちゃんと一緒に力を合わせて越えるよ。ブランコに乗って高く上がったらその先に見える景色に向かってジャーンプ!なんなら、1回転してもいいんだよ」
「なんか、分かるようで分かんない」
「まあ、その内分かるよ」
確かに今なら分かる気がする。
ゆいぼんは自ら犠牲になって私に力を与えた。
ゆいぼんの犠牲が私に推進力を与えたんだ。
私が越えられない時は、ゆいぼんが力を貸してくれる。
その鼻につく優しさが実を結んだよ。
今さらだけど、最初で最後の感謝をする。