二度目の初恋
言えた......。

やっと言えたんだ、私......。

17年間ずっと大事に守ってきた自分の気持ちをやっと伝えることができた。

悠永は......悠永は今どんな顔してるかな?

笑ってるかな。

それとも嬉しくて泣いてるかな。

頷いてくれたら思いっきり抱き締めよう。

そう思って顔を上げた......その時だった。


「ゆい...ぼん...?」


悠永が季節外れの蚊の鳴くような声で呟いた。

ゆいぼん...?

ゆいぼんって言ったの?

どうして...?

そんなはず......ない。

私は振り返ってその姿を探した。

ゆいぼんなんてどこにも......。


< 217 / 365 >

この作品をシェア

pagetop