二度目の初恋
「あっ...」


ゆいぼんは...いた。

ぼろぼろと涙を流しながら、顔をぐちゃぐちゃにして公園に入って来たかと思うと氷のような地面に座り込み、何度も拳を叩きつけた。


「ゆいぼんっ!」


悠永はゆいぼんの元へと走って行き、そしてそのまま抱き締めた。

コートも着ず、パジャマ姿だったゆいぼんはすっぽりと悠永の胸の中に収まった。


「ちっ......」


私は舌打ちをひとつして、その場から逃げるように去った。

風の冷たさも、

夜道の暗さも、

心の温度も、

何も感じられなかった。

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