二度目の初恋
「何してるんだ」

「ああ？」


男性の声だ...。

誰か助けに来てくれたのかな。

意識が朦朧としていて顔がよく見えない。


「その人を離せ」

「何言ってるんだ、お前？こいつは俺の...」

「それはこっちのセリフだ...！」


水溜まりを蹴る音が聞こえる。

びしゃん、ばちゃん、びしゃん、ばちゃん...。

そしてわたしの目の前に現れた。

わたしはその姿を見て両目を見開いた。

この人......知ってる。

どこかで会ったことがある...。

全身に静電気のような鈍い電流が走り、頭の奥の記憶のドアがゴンゴンとノックされた。

わたしがめまいに苦しんでいる間に男子は男と向かい合った。


「やんのか、こら！」


男がパンチを繰り出すと制服姿の男子はそのパンチを右手で受け止め、左手で男の腹を殴った。

男は腹を抱えながらも立ち上がったが、今度は男の子に回し蹴りを喰らわされ水溜まりにじゃぼんっと沈んだ。

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