二度目の初恋
それから数時間経った頃。

夕飯を食べ終え、お風呂に入った後、わたしは両親と人生ゲームを楽しんでいた。


「あらら、私右隣の人に3000ドルあげるだって。じゃあ由依に...はい」

「お母さんさっきから人に恵んでばっかりだね」

「さっきはお父さんに結婚のお祝い金あげたわよ。あげてばっかりでもらえてないわねえ」


と人生ゲームの設定にぼやく母を横目で見ながら父がルーレットを回した。

すると、勢いが良すぎたのかルーレットが一瞬飛び上がった。


「あははは!何やってるのよ、あなた!」

「ごめんごめん。ちょっと力込めすぎたなぁ」

「そのわりにはひどい結果よね?」

「1はちょっと...」

「まあ、人生そんなに甘くはないってことだな!」


あはは!

あははは!

あはははは!

笑い声が佐倉家に響き渡る。

やっと我が家に笑顔の灯りが灯った。

と、そう思ったその時だった。


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