二度目の初恋

――バンッ！


リビングの壁にヒビが入るんじゃないかと恐れるくらいの大きな音が鳴り響いた。


「さっきからギャーギャーわーわーうるさいんだよ！ちょっとは静かにしたら？あたし受験生なんだからそのくらい配慮してよね。あと、食事運んでくるの超ウザいから止めてもらえる？」


紀依ちゃんの言葉に母が何も言わないわけがなかった。

母は紀依ちゃんの目の前に仁王立ちすると鬼の形相になり怒鳴り声をあげた。


「紀依、あんたねえ、反抗期とはいえ、実の姉に向かってなんていう口のきき方してんの？！」

「姉？あぁ、あたし、あの人のこと姉ともなんとも思ってないから。それだけは言っておく」