二度目の初恋
「この家のもの、全部無くなればいいっ!」


叫びながら次々に皿を割り、床に散らばった破片を気にすることなく割れた皿の上を歩いてリビングに来ると、クッションを母やわたしに投げつけてきた。


「紀依!止めなさいっ!」


父が止めようとするものの、テーブルの上にあった人生ゲームの小物を投げつけてきたり札をばら蒔いたりする紀依になかなか近づくことが出来ずにいた。

わたしはもう諦めるしかなかった。

わたしが傷つくしかない。

どんなことがあっても紀依ちゃんを止める...!

わたしは紀依ちゃんの腰に向かって突進していった。


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