二度目の初恋
――ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ...。


目覚まし時計は今日もうるさい。

だけど、イライラを溜め込んでその反動で起きるにはちょうど良い。

わたしは布団を右手で勢い良く払って、一瞬寒さを感じて茹でエビのように背を丸めた。

しかし、こんなことをしていたのでは約束の時間を過ぎてしまう。

寝ぼけていても頭は回転してくれているみたいで、わたしはのろのろと起き上がり、カーテンを開けた。

ううっ、眩しい。

太陽は高く登り、まさにピクニック日和って感じだ。

窓を開けると、春風と共にふわっと春の匂いがしてわたしの心に染み込んできた。

今日はきっと良い日になる。

そんな根拠のない自信とウキウキで胸がパンパンになっていた。

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