二度目の初恋
「由依どうした?」
「どーもしてない」
「えっと......オレのせい?」
「大丈夫。いいから漕いで」
「分かったけど、意外ともうすぐだよ。ほら、向こう。菜の花がいっぱい咲いてる」
悠永が自転車を見事に片手でバランスを取って漕ぎながら、指を指した。
その方向に見えたのは......。
「うわぁ...キレイ!あの日とおんなじだ」
実際には7年が経過してあの日とは少し違う景色だけど、わたしの視線の先に広がっていたのは、太陽よりも眩しい黄金色の菜の花畑だった。
春風に吹かれてゆらゆらと皆が同じ方向に揺れている。
その姿が美しくもあり、いとおしくもあり、わたしの心に強く印象付けられた。
わたしは脳内フィルムにこの菜の花畑を記憶した。
もう2度と忘れたくないから、
忘れないように大切なものを記録する。
わたしはそう決めたのだ。
「後少しだから」
「分かった。......ありがとね、悠永」
「あ......うん」
悠永の耳がほんの少し赤くなっているように見えてわたしはくすっと笑った。
「どーもしてない」
「えっと......オレのせい?」
「大丈夫。いいから漕いで」
「分かったけど、意外ともうすぐだよ。ほら、向こう。菜の花がいっぱい咲いてる」
悠永が自転車を見事に片手でバランスを取って漕ぎながら、指を指した。
その方向に見えたのは......。
「うわぁ...キレイ!あの日とおんなじだ」
実際には7年が経過してあの日とは少し違う景色だけど、わたしの視線の先に広がっていたのは、太陽よりも眩しい黄金色の菜の花畑だった。
春風に吹かれてゆらゆらと皆が同じ方向に揺れている。
その姿が美しくもあり、いとおしくもあり、わたしの心に強く印象付けられた。
わたしは脳内フィルムにこの菜の花畑を記憶した。
もう2度と忘れたくないから、
忘れないように大切なものを記録する。
わたしはそう決めたのだ。
「後少しだから」
「分かった。......ありがとね、悠永」
「あ......うん」
悠永の耳がほんの少し赤くなっているように見えてわたしはくすっと笑った。