二度目の初恋
「由依、オレはもう由依を一生離さない。ずっと由依と一緒にいる。由依がオレを2度と忘れないようにオレが由依の記憶も由依自身も一生守る。だから、由依...オレと未来を一緒に歩いてくれませんか?」


悠永がわたしの前に花冠を差し出した。

それはどう見ても下手くそで無理やり結びつけて輪っかにした感じがする、なんとも悠永らしい花冠だった。

涙ばかりも良くない。

笑いたいから笑おう。


「はははっ...。これ、なんか変だよ」

「それなら、直す」

「いいよ、直さなくて。これが悠永の想いなんでしょ?」

「由依...」

「悠永は不器用だけど、ちゃんと形にしてくれた。わたしのために作ってくれた。わたしのお願い聞いてくれた。それだけでわたし...もう十分幸せだよ」


わたしは悠永が差し出した花冠をもう1度見つめた。

輪っか、か。

恋は繰り返す。

何度も何度も。

恋をして最初に戻ってまた恋をする。

恋は無限ループで、わたしと悠永はそのループの中で生きていく。

そういう運命だったんだ。


「悠永、わたしも言いたいことがある」

「うん」


悠永の瞳にわたしが映る。

わたしは1度目を閉じてそしてゆっくり開けて悠永を見つめた。


「わたしもすき。悠永のことが...大好き」


その言葉の後、わたしは悠永に強く強く抱き締められた。

その力の強さも、

その体温も、

その息づかいも、

その香りも、

全てわたしの心に、

暖かさと、

苦しさと、

愛しさを与えた。

わたしは悠永の腕の中で泣きながら笑った。


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