二度目の初恋
結局パーティーは両親とわたしと怜奈ちゃんの4人でやった。
怜奈ちゃんが自宅から人生ゲームを持ってきてくれたお陰で料理を食べ終わった後も楽しく過ごせた。
人生ゲームは昔良く幼なじみ3人でやっていたと怜奈ちゃんは言っていたけれど、わたしの記憶の蓋は少しも音を立てなかった。
随分盛り上がり、就職後の第2ステージまで進んでしまったために時刻は10時を回った。
お酒が弱いのに調子に乗ってビールを飲んでしまった母はぐっすり夢の中。
父が母を寝室に連れていっている間に怜奈ちゃんと玄関を出た。
空には分厚い雲がかかっていて天の河はおろか星や月さえも見えない。
「織姫と彦星、会えなかったっぽいね」
「そう...だね」
「2人は1年に1回しか会えないのに...。ああ、なんか切なくなっちゃう」
「うん...」
2人で夜空を見上げてぼーっとしていると、どこからか笑い声が聞こえてきた。
「ふふふっ。そうなんだ。田所先生相変わらず面白いんだね」
「笑わせるのはいいけどもっと真面目に教えてほしいよ」
「紀依は本当に真面目なんだね」
「お金払ってるんだから当たり前じゃん。ちゃんと授業してもらわないと困る」
「ふふふっ」
紀依......?
あの子は妹を呼び捨てにしてるの...?
わたしと怜奈ちゃんは夜空から声のする方に視線を移した。
と、次の瞬間だった。
怜奈ちゃんが自宅から人生ゲームを持ってきてくれたお陰で料理を食べ終わった後も楽しく過ごせた。
人生ゲームは昔良く幼なじみ3人でやっていたと怜奈ちゃんは言っていたけれど、わたしの記憶の蓋は少しも音を立てなかった。
随分盛り上がり、就職後の第2ステージまで進んでしまったために時刻は10時を回った。
お酒が弱いのに調子に乗ってビールを飲んでしまった母はぐっすり夢の中。
父が母を寝室に連れていっている間に怜奈ちゃんと玄関を出た。
空には分厚い雲がかかっていて天の河はおろか星や月さえも見えない。
「織姫と彦星、会えなかったっぽいね」
「そう...だね」
「2人は1年に1回しか会えないのに...。ああ、なんか切なくなっちゃう」
「うん...」
2人で夜空を見上げてぼーっとしていると、どこからか笑い声が聞こえてきた。
「ふふふっ。そうなんだ。田所先生相変わらず面白いんだね」
「笑わせるのはいいけどもっと真面目に教えてほしいよ」
「紀依は本当に真面目なんだね」
「お金払ってるんだから当たり前じゃん。ちゃんと授業してもらわないと困る」
「ふふふっ」
紀依......?
あの子は妹を呼び捨てにしてるの...?
わたしと怜奈ちゃんは夜空から声のする方に視線を移した。
と、次の瞬間だった。