二度目の初恋
アタシの願いが届いたのか、ゆいぼんが悠永らしき人と会ったという知らせを受けた。

6月16日は泰翔の誕生日だった。

喫茶店で3人で会うことになったけど、泰翔は相変わらず忙しそうで、ゆいぼんばかり見てアタシなんて目もくれなかった。

頭では分かっているけど、やはり態度には出てしまう。

アタシはすごく顔にも行動にも出てしまう。

ゆいぼんが心配そうな顔をしていたからもしかしたら思い出しはしないけれど、察し始めたのかもしれない。

事故に遭ってそういうところが鋭くなったみたいだけど、そんなの今は必要じゃない。

ゆいぼんは鈍感なままでいいんだ。

じゃないと苦しむのはゆいぼん自身だから。

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