二度目の初恋
紀依ちゃんはその日午後10時過ぎに帰ってきた。

父の話によると紀依ちゃんは地元で最難関の高校を目指していて週3日塾に通っているらしい。

その塾の高校生クラスには小学校時代のわたしの友達もいるらしく、いつも家まで送ってくれるという。


「紀依ちゃんまだかな?」

「もう少しで来ると思うんだけど」

「私、心配だから見てくるわ」

「いや、俺が行くよ」


父がソファから立ち上がったその時だった。


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