二度目の初恋
アタシはゆいぼんが落ち着くのを待ち、ゆいぼんを解放してから、まずゆいぼんの話を聞いた。
七夕の夜からずっと薬を飲んでもなかなか寝付けず、学校でもバイトでもぼーっとしていることが多いらしい。
それと妹のことで思い悩み、朝晩は両親の目があるからなんとか少しは食べているけど、昼は全く食べられないという。
「ご両親に内緒でアタシと病院いく?」
「ううん、大丈夫。来月お盆前には入院してた病院に行くから」
その話を聞いてアタシは慌ててスマホを取り出し、スケジュール帳を確認した。
「怜奈ちゃん、どうかしたの?」
「えっとね...あっ、この日だ。8月10日、アタシたちの小学校の裏山の豊星神社で夏祭りやるの。だからゆいぼんとアタシと...あと泰翔も誘って3人で行こうよ。昔も良く3人で行ったんだよね。だから何か思い出すかもしれないよ」
「8月10日...」
「あれ?もしかして被った?」
「ううん、違うの。でもなんか...その日大事な日だった気が...」
「大事な日?」
8月10日って誰かの誕生日...?
アタシは頭を捻ったけど夏休み中だし、祝った記憶もないからおそらく誰の誕生日でもないはず。
なら、何?
何だろう、8月10日って。
アタシが腕を組んで悩んでいるとゆいぼんが言った。
「たぶん気のせいだよ。だから気にしないで。それより楽しみだよ、夏祭り。怜奈ちゃんは浴衣着るの?」
「えっ、あっ...うん。似合わないけど、あるから来ていこうと思う」
「そんなことないよ。怜奈ちゃん美人だし絶対似合うよ!」
「いや、黒髪のゆいぼんの方が似合うよ。今思い起こしても...うん、やっぱり似合ってた。アタシ今でも覚えてる。黄色地に赤い金魚がたくさん泳いでる浴衣。ゆいぼんらしくてめっちゃ似合ってたもん」
「でもそれは見つかってももう着られないから新しいの買うね」
「うん、楽しみにしてるよ」
アタシは小指を出した。
ゆいぼんがにっこり微笑みアタシの小指に細い指を絡ませた。
その指は前指切りをした時よりも冷たかった。
七夕の夜からずっと薬を飲んでもなかなか寝付けず、学校でもバイトでもぼーっとしていることが多いらしい。
それと妹のことで思い悩み、朝晩は両親の目があるからなんとか少しは食べているけど、昼は全く食べられないという。
「ご両親に内緒でアタシと病院いく?」
「ううん、大丈夫。来月お盆前には入院してた病院に行くから」
その話を聞いてアタシは慌ててスマホを取り出し、スケジュール帳を確認した。
「怜奈ちゃん、どうかしたの?」
「えっとね...あっ、この日だ。8月10日、アタシたちの小学校の裏山の豊星神社で夏祭りやるの。だからゆいぼんとアタシと...あと泰翔も誘って3人で行こうよ。昔も良く3人で行ったんだよね。だから何か思い出すかもしれないよ」
「8月10日...」
「あれ?もしかして被った?」
「ううん、違うの。でもなんか...その日大事な日だった気が...」
「大事な日?」
8月10日って誰かの誕生日...?
アタシは頭を捻ったけど夏休み中だし、祝った記憶もないからおそらく誰の誕生日でもないはず。
なら、何?
何だろう、8月10日って。
アタシが腕を組んで悩んでいるとゆいぼんが言った。
「たぶん気のせいだよ。だから気にしないで。それより楽しみだよ、夏祭り。怜奈ちゃんは浴衣着るの?」
「えっ、あっ...うん。似合わないけど、あるから来ていこうと思う」
「そんなことないよ。怜奈ちゃん美人だし絶対似合うよ!」
「いや、黒髪のゆいぼんの方が似合うよ。今思い起こしても...うん、やっぱり似合ってた。アタシ今でも覚えてる。黄色地に赤い金魚がたくさん泳いでる浴衣。ゆいぼんらしくてめっちゃ似合ってたもん」
「でもそれは見つかってももう着られないから新しいの買うね」
「うん、楽しみにしてるよ」
アタシは小指を出した。
ゆいぼんがにっこり微笑みアタシの小指に細い指を絡ませた。
その指は前指切りをした時よりも冷たかった。